この動画について
メインゲストには『大家による地域価値づくり!所有不動産とコネクションを使ったまちづくり』と題して、株式会社南荘(みなみそう)石井事務所 代表取締役 石井 秀和 氏にご登壇いただき、曽祖父の代にスタートさせた不動産事業の4代目である石井さんが行っている不動産の商品価値を下げずに地域価値の拡大を担う事例を紹介していただきました。
第80回北海道大家塾は、札幌駅最寄りの北海道建設会館に会場を設け、会場セミナーに60名、You Tube ライブ(限定公開)同時配信によるWEBセミナー(帯広サテライト会場も含む)には76名の計136名が参加の中で開催されました。
メインゲストには『大家による地域価値づくり!所有不動産とコネクションを使ったまちづくり』と題して、株式会社南荘(みなみそう)石井事務所 代表取締役 石井 秀和 氏にご登壇いただき、曽祖父の代にスタートさせた不動産事業の4代目である石井さんが行っている不動産の商品価値を下げずに地域価値の拡大を担う事例を紹介していただきました。
お役立ちセミナーでは、『インボイスって大家でも必要って本当??』をテーマに、税理士法人エンカレッジ中田事務所 所長 中田 浩貴 氏にご登壇いただき、「本当にインボイスの登録が必要なのか」について不動産オーナー向けにピンポイントで解説していただきました。
更に『激動のアパート経営を生き抜く、今選ばれるべきエネルギーとは!!』というテーマで株式会社eガス 守屋 恵人 氏によるミニセミナーも行い、燃料費高騰の打開策にもなる燃料転換のメリットなどについてお話いただきました。
サポートパートナーの企業紹介では、 新しくサポートパートナーに加入いただいた株式会社Casaさんに自主管理向け保証サービス「家主ダイレクト」のご紹介をしていただきました。
【メインゲスト】
講師紹介
石井 秀和 氏(Ishii Hidekazu)
株式会社南荘(みなみそう)石井事務所 代表取締役
○ 株式会社南荘石井事務所
○ 新城テラス
https://terrace.seses-ishii.jp/
○ 新城WORK
https://work.seses-ishii.jp/
1975年11月生まれ。
生まれも育ちも川崎市中原区。
不動産賃貸業を家業としている。
大学卒業後IT企業に就職、その後24歳で家業(株式会社南荘石井事務所)に戻り、平成25年に4代目として代表に就任し、約350世帯を自主管理。
現在は武蔵新城を中心に展開する「セシーズイシイ」マンションシリーズを管理。
大規模改修の時期であった賃貸マンションの共用部をリノベーションして、多目的広場となる「PASAR SHINJO」をつくり、まちに開放し共用部にカフェ「新城テラス」をオープン。
それをきっかけにJR南武線 武蔵新城駅を中心としたエリアに「この街に住みたい、住んで良かった。」というひとを増やす為の仕組み作り、情報発信やイベント企画など様々な活動を行う。
また、武蔵新城にある「はたらくと暮らすを豊かに」をコインセプトとしたコワーキングスペース「新城WORK」を含む「武蔵新城のエリアリノベーション」は、2021年度グッドデザイン賞を受賞。
『大家による地域価値づくり!所有不動産とコネクションを使ったまちづくり』
『生まれた瞬間から守らなければいけないものがあった』
曽祖父の代にスタートさせた、不動産事業の4代目であるセシーズイシイグループ代表、株式会社南荘 石井事務所 代表取締役の石井 秀和 氏は生まれも育ちも川崎市中原区。
38歳で事業を継承しました。
引き継いだ物件は平均築20年の18棟350世帯。
「400年受け継いだものを自分の代でなくすのはいや。一矢報いたい」と思いながらも、
相続税納付のために資産を増やし、資産価値の下がっていく土地を維持したところで先祖は喜ぶのか…
土地を守ることがやるべきことなのか、子孫が幸せに生きていくことが望みなのか…
と悩むことばかりだったそうです。
所有不動産の価値を上げられないかと考え続けた結果、時代に合わなくなったモノの価値を維持するためにリノベーションを学ぼう!!と静岡県熱海のリノベーションスクールに参加。
そのスクールは、古い建物を新しく見せて価値を生むようにするということを学ぶのではなく、
・空き家をうまく活用して地域活性できないか
・どのようにしたら地域が盛り上げるか
を学ぶ勉強会だったそうです。
建物単体の価値創造には限界がある
↓
人が憩い、集う場所をつくる
↓
エリアの関係人口を増やし母数を上げる
過疎化している地域にこそ課題解決のヒントがあったと石井さんは振り返ります。
更に、リノベーションをお願いしたブルースタジオの大島 芳彦さんから
「地主大家という立場は、そこに住む人に安心感を与えられることに気づいているか?
地域の人が大家さんをやっているという安心感を大切にしなくてはいけない」
と言われ、自分の地域を活性化し広告塔になりながら何かできないかと考え始めたそうです。
【武蔵新城の課題】
・コミュニティの弱体化
町内会、商店会など担い手不足が顕著。変わる組織も現れず
・新規住民とまちとの接点不足
一人暮らし、分譲住宅、分譲マンション住民
・立地、アクセスに偏ったリーシング
まちに興味を示さない人たちの増加
問題解決に向けて住居のまま貸して行くのは難しいので、住居じゃない形でニーズやペインを満たすテナント・共用スペースなどの場所の提供を始めました。
【新城テラス】PASAR BASE
お母さんたちが手作業で作ったものをマルシェで売ることができ、子供を連れて来る。
コワーキング別館では1テーブル500円くらいで貸し、アクセサリ作りなどの習い事に使える。
作ったものをイベントで売ることができる。
【第六南荘】
1階のベランダフェンスや手すりを取り払い住居を店舗に!
玄関側・ベランダ側に分けてフェイシャルサロン・菓子工房・コーヒー豆販売・訪問看護事業所などに使われている。
個人がやりたいことのスタートアップのための場所となり、年4回ほど自主的にイベントを行う。
商業自治会もできている。
【新城WORK】
築35年鉄骨造 改造したコワーキングスペース
ラウンジ・シェアキッチン・ワークスペース・ミーティングルームなど
・フォーカス
TV会議NGの集中型のブース
・ブース
オンライン会議用テレフォンブース・会議室
・フィットネス
【セシーズイシイ23】新築企画
時代に合わなくなった広さの建物の間取り変更ができないことがずっと悩みだったので、キューブの集まりで壁を壊せる作りにしたオンとオフを切り分けるコワーキングスペース。
◆新城WORKの1アカウント分がついてくるのでフルタイム使える。
◆カフェ「新城テラス」のドリンクサービス一部無料
などの入居者特典があり、専有部分は必要最小限で狭くても新城WORKを利用し、近隣で足りないものを埋めていくという発想。
今後は地域の中で困っている大家さんの物件を預かりたい。
地域の中に価値を作った上で預かれれば、その大家さんの物件も住みやすくなる。
他の大家さんと協力して足りないものをまちで創って地域で戦っていきたい。
最後に今後の目標を熱く語ってくださった石井さんから、不動産の商品価値を下げずに様々なニーズに答えながらまちづくりをするアイディアを学ぶことができ、たくさんの刺激をもらえたセミナーになりました。
塾長 原田の感想
不動産投資と賃貸事業の境目は、「公共性」だと思います。
不動産投資から入られた方は、まずはご自分の将来の資産形成のために入られています。
しかしながらそこから賃貸事業者へ伸ばしていくには、「公共性」が必要不可欠です。
公共性と言うと大きく考えがちですが、物件の整備だって公共性を高める一つです。
お話頂いた石井さんは、4代目の大家さんです。
親から引き継いだRCワンルームばかりの賃貸経営は、本当に苦労の連続だったそうです。
最初は家賃や設備などの競争をしていましたが、それでは共倒れになってしまうことを考え始めました。
そこで取り組んだのがエリアリノベーションです。
石井さんは、駅周辺に集中して物件を所有しているため、ご自分の物件をまずは地域に開かれた物にしようと取り組んだのが新城テラスでした。
カフェは儲からない(笑)
と言っていましたが、エリア再構築の象徴としてこのカフェを作り運営し続けています。
新城テラスに始まり、コワーキングスペース・イベントスペース・ジムなどを地域に開きながら、持続可能な事業として取り組んでいます。
こうした地域の中心人物が、そのエリアに住む人の「住む理由」をつくる事は武蔵新城だけのものではありませんが、若き不動産オーナーの石井さんが悩みながらも、全力で取り組む姿は多くの参加者の共感を得ていました。
開催記録
●日 時:2023年5月27(土) 14:30-18:30
●参加人数: 136名(会場参加:60名、WEB参加:75名)
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