この動画について
第二部では全保連株式会社 法人営業部齊藤 竜太氏に、保証会社を利用することによるメリットや大家さんが抱える賃貸経営の課題について解決のヒントを教えていただきました。
第69回北海道大家塾は、札幌駅最寄りの北農健保会館に会場を設け、コロナ感染拡大防止対策を行なった会場セミナーには50名、You Tube ライブ(限定公開)の同時配信によるWEBセミナーには60名参加の中で開催されました。
第一部では仙台大家の会 現地世話人の 菅原貴博氏にご登壇いただき、これから物件を買おうと思っている初心者の方向けに、融資のお話を絡めながら何から始めるべきか、物件取得には欠かせないシミュレーションの活用・物件取得後の収支改善についてもお話していただきました。
第二部では全保連株式会社 法人営業部齊藤 竜太氏に、保証会社を利用することによるメリットや大家さんが抱える賃貸経営の課題について解決のヒントを教えていただきました。
サポートパートナーの企業紹介は、新しいサポートパートナーの大西正啓司法書士事務所と株式会社朝日リビングさんをご紹介させていただきました。次に「人気NO1都市ガス物件なら北ガスにご相談ください。」の北海道ガス株式会社さん、「大家業専用の高還元率のアメックスプラチナカードがオススメ」の株式会社クレディセゾンさんに会場で紹介PRをしていただきました。
今回は、宅配ボックス導入数国内トップクラスの株式会社フルタイムシステムさんにコロナ禍でニーズが高まっている宅配ボックスについてのミニセミナーをお願いしました。
サポートパートナーブースは新サポートパートナーの朝日リビングさんにお願いしました。
そして前回に引き続き、出入り口横にサポートパートナー企業のチラシを並べ、来場者が自由にチラシをお持ち帰り出来るようにしてみました。
【第二部】
講師紹介
齊藤 竜太 (Saito Ryuta)
全保連株式会社 法人営業部
1984年6⽉6⽇生まれ
趣味:スノーボード、ゴルフ、ドライブ
特技:DIY
2015年 債権管理部⼊社
2017年 法人営業部に異動
(⽇本全国の協定会社様に対し、ニーズに合わせたプラン構築を⾏う部署)
全保連株式会社
会社設立:2001年11月16日
資 本 金 :2,350,184,000円(2021年3月末現在)
従業員数:730名(役員含む・2021年3月末現在)
本 社:東京本社・沖縄本社
事業内容:家賃債務保証及び賃料管理リスクヘッジ業務
○全保連株式会社
『保証会社が語る賃貸経営の現状と未来』
「『75,621』 皆さん、この数字は何を示しているか分かりますか?
これは2021年3月中に当社へ家賃の滞納報告があった件数です」
賃貸経営にとって、大きな問題となる家賃の滞納。
全保連株式会社にとって創業の地となる沖縄では「うちなータイム」という言葉がある通り、ゆったりした時間の感覚がある地域のためか、家賃の滞納もまた、地元の賃貸オーナーにとって長年の課題だったといいます。
そのため、全保連株式会社が手掛ける「家賃保証」という制度もまた、全国各地におよそ20か所の営業拠点を置く今でも「エリアの特性に合ったニーズを抽出し、プランを作成・提案する」というスタンスで賃貸経営をサポートされているのが大きな特徴です。
今や保証会社としては業界No.1のシェアを誇る同社ですが、これまで関わった事例の中で「特に賃貸経営のトラブルになりやすいケースは以下の4つ」になるそうです。
1.毎月の家賃・滞納費の変動があった
2.夜逃げ、長期滞納により訴訟となった
3.過去清算費用の滞納があった
4.入居者が居室内で無くなってしまった
1のケースであれば、オーナー自身が自分で請求を追いかけるか管理会社に依頼する形が多く、入金が無ければ問題は解決しないまま。
2の訴訟となってしまうケースもまた、連絡が取れなくなればオーナー側に最終的な問題が残る一方で、訴訟に関わる費用や時間も発生します。また、結果的に訴訟判決が取れない可能性もあります。
「ただし、実際には1や2、4の場合よりも、ケース3のような状況が全保連で
一番ご相談の多い請求のパターンです」と、齊藤さんは言います。
その中で、全保連株式会社は不動産会社を仲介して「賃貸保証契約」でつながっている賃貸オーナーに対しては、滞納報告から3営業日後に「代位弁済(立替払い)」という形で滞納された家賃をオーナーの口座へ送金してくれます。
また、その対象範囲は毎月の家賃だけでなく変動費や退去時の精算費用まで幅広くカバーされています。
このような保証会社の利用が本州の不動産業界で広がりつつある背景は、2017年の民法改正がきっかけとなりました。
以前は賃貸物件の契約は連帯保証人を付けることが一般的でしたが、この民法改正により契約時に連帯保証人にも極度額(限度額)を明記することが求められるようになりました。
また、近年の核家族化や少子高齢化社会が進む社会の中では親兄弟すら「連帯保証人の当てが無い」「頼みにくい」という声も多くなりつつあります。
そこで家賃保証会社が保証を付ける形にすることで賃貸契約が可能となった結果、「入居者が決まるケースも増えつつある」という声もあります。
全保連株式会社もまた、
「賃貸経営の安定稼働」
「充実した保証内容」
「オーナー様への費用負担なし」
「ただし、個人でご契約の際、連帯保証人は不要」
という独自のサービスをオーナー様に提供しつつ、入居者との間に入る形での「三者間契約」を結ぶことになり、過去の入居者に対しても立て替えた家賃の請求が可能となります。
一方で、全保連株式会社のような家賃保証制度を全くご存じない賃貸オーナーもまだまだいるのが現実です。また、家賃の滞納にはコロナ禍による経済活動の停滞や失業も影響するため、齊藤さんがお話された後には会場から様々な質問の声が上がりました。
Q.低い家賃のケースでも、夜逃げなどの調査や対応は行なわれますか?
Q.民法改正以降、札幌でも保証会社さんの精度を利用する賃貸オーナーは 増えつつある一方、家賃の入金遅れもまた増えている印象です。全保連さんも そのような状況だとお考えですか?
Q.入居者が夜逃げしたケースの場合、残置物で部屋がグチャグチャな状況の場合、原状回復費用の保証もできますか?
Q.ガスや灯油代など、オーナー自身がなぜか集金している場合も対象になりますか?
Q.入居まもなく滞納が始まるような常習犯の入居者がいるようなケースは防げるものですか?保証会社さん同士でグループのような形で情報共有はされていますか?
など、実際に起こり得るケースを例に30分以上の質問タイムとなりました。
コロナ禍による失業や貧困の影響もあるため、その現実からは賃貸オーナーやオーナー企業の経営者にとって目を背けることができない現実です。
第二部のセミナーは、齊藤さんの話を通じて、その現実的なリスクを改めて考える機会となりました。
塾長 原田の感想
保証会社はオーナーにとって非常に大切なパートナーでありながらその内容を理解できていない事が多いです。
全保連は不動産会社が代理店なので、オーナーは直接契約はできません。
しかし契約件数、全国NO1ですから不動産会社にとっては使いやすく、保証承認も下りやすいのでしょう。
最後の質問コーナーで沢山の質問が出ましたが、それが非常に良い質問だったと思います。
夜逃げにあったとき、通常は原状回復の保証はできませんが、保証取り扱いの多い会社には特別プランで保証しているケースもあるというのはビックリしましたね。
開催記録
●日 時:2021年7月31日(土)
13:30-18:00
●参加人数: 110名(会場参加:50名、WEB参加:60名)