この動画について
第一部では福島県郡山市で「小原田の里守」としての活動で注目を集めた三代目大家、TRUSS HOME(トラスホーム)株式会社 代表取締役の古川 広毅さんを講師にお招きしました。
第一部では「自分が大家業を営む地域に目を向け、地域ある社会問題を大家としてどう解決するか?不動産を活かした街づくりとは何か?具体的にどんな事例があるか?」、第二部では「賃貸経営を何も知らないまま、二代目大家として親の物件を相続した自分が経験した失敗や気づきを、同じ立場の方々に伝えることで少しでもお役に立てれば」という大家業の中で取り組んだ地域振興、または失敗を乗り越えた事業再生の経験を講師それぞれの強い思いとともに学ぶ機会となりました。
第67回北海道大家塾は、札幌駅最寄りの北農健保会館にセミナー会場を設け、You Tube ライブ(限定公開)との同時配信にて開催しました。
第一部では福島県郡山市で「小原田の里守」としての活動で注目を集めた三代目大家、TRUSS HOME(トラスホーム)株式会社 代表取締役の古川 広毅さんを講師にお招きしました。
第二部は、当社・オーナーズビジョン株式会社で不動産営業部 課長を務める高瀬 洋一郎が登壇し、二代目大家としての歩みや経験を語らせていただきました。
第一部では「自分が大家業を営む地域に目を向け、地域ある社会問題を大家としてどう解決するか?不動産を活かした街づくりとは何か?具体的にどんな事例があるか?」、第二部では「賃貸経営を何も知らないまま、二代目大家として親の物件を相続した自分が経験した失敗や気づきを、同じ立場の方々に伝えることで少しでもお役に立てれば」という大家業の中で取り組んだ地域振興、または失敗を乗り越えた事業再生の経験を講師それぞれの強い思いとともに学ぶ機会となりました。
サポートパートナーの企業紹介は、「LPガス・灯油配達・設備無償貸与はお任せください。」の小野寺燃料株式会社さんと「大家業専用の高還元率のアメックスプラチナカードがオススメ」の株式会社クレディセゾンさん、「人気NO1都市ガス物件なら北ガスにご相談ください。」の北海道ガス株式会社さんに会場で紹介PRをしていただきました。
また、今回は「火災保険に特化した損害保険代理店」の有限会社大川商店さんに火災保険「水道管凍結破損編」のミニセミナーをしていただきました。今シーズンは水道管凍結破損がとても多かったので、今後の対応として皆さま真剣に聞き入っていました。
サポートパートナーブースは、有限会社大川商店さんと小野寺燃料株式会社さんでした。
【第一部】
講師紹介
古川 広毅(Furukawa Hiroki)
TRUSS HOME(トラスホーム)株式会社 代表取締役
福島県郡山市小原田出身。
大学で建築を学んだ後、建築会社へ就職。
2010年地域の暮らしづくりを目指すTRUSS HOME㈱を設立。
2020年には入居者だけでなく、地域の方々との繋がりを育むことを目指した賃貸住宅『ロカド香久山』を建築。
1998年 地元建築会社に入社 現場監督、設計、営業、積算を担当
2009年 有限会社 マルサダ入社
2010年 TRUSS HOME株式会社 設立
2019年 TRUSS HOME café & レンタルスペース オープン
2020年 コミュニティ型賃貸住宅 「ロカド香久山」新築
所有管理不動産 約200世帯
○ トラスホーム株式会社
『私たちの地域の魅力を見つけよう!(3代目大家の取組み)
~ 賃貸不動産オーナーが手掛ける 地域のコミュニティづくり』
講演時に使用した動画はこちらからご視聴いただだけます。
◆トラスホーム 里守出航祭
◆ちっちゃな美術館 こはらだ日和
◆ロカド香久山 上棟祭/秋祭り
「大家としての自分の務めは、生まれ育った郡山の小原田という地域に「住みたい!」と思う人を増やすことではないか?」
2009年、先代の大家だった父親と訪れた賃貸住宅フェアで知った、とあるリノベーションスクール。このリノベーションスクールに参加したことが、古川さんに大きな影響を与え、今の大家業に対するスタンスとなりました。
スクールでの授業は、実際にある遊休不動産を活用し、地域の産業振興やコミュニティ再生のプラン作成を行なうこと。この実践的な4日間のカリキュラムを通じて古川さんが学んだのは、「敷地に価値無し、エリアに価値あり」という考え方でした。
かつて小原田は、奥州街道が通る宿場町として栄えた地域でした。古川家は250年前の江戸時代からこの地で農業を営み、50年前ごろから大家業へと家業を転換。
古川さん自身は、大学卒業後、福島県の建築会社に就職して改築工事などを任され、11年の間、朝から晩まで仕事に励む日々を送りました。その後、実家の大家業を継ぐため退職し、ご両親とともに三代目大家としての道を歩み始めます。
最初は「入居者のクレーム対応」「退去者の立ち合い」など大家業の日々に戸惑う日々でしたが、お部屋の設備の不具合チェックなど建築会社で培った自分の得意分野も見つけ出し、「入居者の門出」として退去者にお花を贈る細やかな心配りで「最後に良い思い出があった」と気持ちよく退去していくことで立ち合いもスムーズに済ませる等、大家として独自のスタイルを築き始めました。
その後、リノベーションスクールへの参加をきっかけに「不動産を活かした街づくり」への関心が高まり、山形、仙台といった東北各地にも足を延ばす日々の最中、2011年3月11日の東日本大震災で被災。小原田のある福島県も大きな被害を受けました。
これまで同じ地域で暮らしていた人たちの多くが福島を離れる中、小原田に留まった古川さんは、ふと一枚の絵を描き始めます。それは、自分が所有する空き地にミニ公園を作るという絵でした。やがて古川さんはその空き地にベンチを置きました。
「不安な日々を送る地域の人たちが、憩いとくつろぎのひと時を持てる場所を作りたい」
「かつて街道を歩いて行き来する人たちが挨拶を交わした、のどかでゆるやかな里・小原田を、ほっとする懐かしい人のぬくもりが残っている町に」
この想いと現在のトラスホーム(株)が掲げる経営理念から生まれたのが「小原田の里暮らし」という事業コンセプトです。
「人」入居者だけでなく、小原田の人々の交流を育む暮らしづくり
「歴史」奥州街道、小田原宿など、地元でも詳しい方が少なくなった地域の歴史を伝え、地元の生活文化を未来につなぐ暮らしづくり
「環境」地域のそばを流れ、福島の代表的な河川である阿武隈川や香久池など多様な環境を活かした暮らしづくり
古川さん自身もまた、自らをこの3つの調和を図る「小原田の里守」と称し、街の活性化を目指す大家業へとさらに取り組み始めました。その代表的な例が、賃貸共同住宅「ロカド香久山」です。
「人と人とのコミュニケーションが生まれやすい賃貸住宅こそが小原田という地域が生き残るには絶対必要だ」
古川さんの強い信念から生まれたコミュニティ型の賃貸住宅をデザインしたのは、かつて「敷地に価値無し、エリアに価値あり」と学んだ、リノベーションスクールの主催者でもあり、建築設計・デザイン会社ブル―スタジオ専務の大島さんです。
「建物は街の風景。街の人と一緒に作る」という信念を持つ大島さんとともに設計・監修した「ロカド香久山」では、上棟式を『秋祭り』、建物の完成内覧会を『小原田の小正月祭り』という地域のイベントとして企画。
小原田の農家で伝統行事とされていた団子刺し、または餅つきや書初めのワークショップも開催することで、地域住民にも気軽に建物の敷地内へと入ってもらうことで、入居者との自然な交流を図りました。
また、「ロカド香久山」の中庭は訪れた地域の住民や入居者同士が自然にすれ違うよう植栽や通路を設計。そしてトラスホームのオフィスがある建物の1階はカフェとして開放し、震災で倒壊した自宅は「ちっちゃな美術館 こはらだ日和」として再建することで、
子供たちも気軽に集える憩いの場として、または音楽のコンサート会場などの交流の場として地域に提供されています。
「物件」を「物語」に
温もりある こはらだ感に
大家さんは まちをつくれる
「ロカド香久山は90%が自主管理」と語りつつも、試行錯誤しながら地元の人脈も手繰り寄せ、一つ一つを形にされているという古川さんの街づくり。今回はその独自の取り組みを通じて、賃貸経営のみならず地域社会にも大きな影響を与えているのが「大家業」という仕事であることを、改めて学ぶ機会となりました。
塾長 原田の感想
古川さんのお話は、地主系大家が取り組む賃貸経営のお話でした。
地方都市の賃貸経営で、そのエリアで賃貸経営をしている方は、そのエリアの趨勢が自らの賃貸経営の影響を受けることになります。
古川さんもそのジレンマの中、自らエリアの価値を高める賃貸経営にシフトしていくのです。
個人だけの収益を考えると、なるべく安く、収益の上がる賃貸マンションを建てて行く事になるのですが、古川さんの場合には収益が上がるように思えない美術館を建て、アパートはブルースタジオの大島さんに設計を依頼し、利回り追求ではなく住まう価値の追求をしているのです。
「敷地に価値なし・エリアに価値あり」という言葉が印象的でしたが、そのエリアで責任を持って投資するオーナーがいるエリアとその取組を私達も知っておくべきだと思いました。
それが将来的な不動産の価値につながると感じました。
開催記録
●日 時:2021年3月27日(土)
13:30-18:00
●参加人数: 87名(会場参加:42名、WEB参加:45名)