バンドマンが滞納400万円超えの築古アパートを相続してみた

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第二部は、当社・オーナーズビジョン株式会社で不動産営業部 課長を務める高瀬 洋一郎が登壇し、二代目大家としての歩みや経験を語らせていただきました。


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配布資料はこちら

配布資料は第一部と第二部で別れております


第61回北海道大家塾
原田塾長と講師の中本篤司さんと木津雄二さん
北海道大家塾
一般財団法人日本不動産コミュニティー 認定勉強会

 

第67回北海道大家塾は、札幌駅最寄りの北農健保会館にセミナー会場を設け、You Tube ライブ(限定公開)との同時配信にて開催しました。 

 

第一部では福島県郡山市で「小原田の里守」としての活動で注目を集めた三代目大家、TRUSS HOME(トラスホーム)株式会社 代表取締役の古川 広毅さんを講師にお招きしました。

第二部は、当社・オーナーズビジョン株式会社で不動産営業部 課長を務める高瀬 洋一郎が登壇し、二代目大家としての歩みや経験を語らせていただきました。

 

第一部では「自分が大家業を営む地域に目を向け、地域ある社会問題を大家としてどう解決するか?不動産を活かした街づくりとは何か?具体的にどんな事例があるか?」、第二部では「賃貸経営を何も知らないまま、二代目大家として親の物件を相続した自分が経験した失敗や気づきを、同じ立場の方々に伝えることで少しでもお役に立てれば」という大家業の中で取り組んだ地域振興、または失敗を乗り越えた事業再生の経験を講師それぞれの強い思いとともに学ぶ機会となりました。

  

サポートパートナーの企業紹介は、「LPガス・灯油配達・設備無償貸与はお任せください。」の小野寺燃料株式会社さんと「大家業専用の高還元率のアメックスプラチナカードがオススメ」の株式会社クレディセゾンさん、「人気NO1都市ガス物件なら北ガスにご相談ください。」の北海道ガス株式会社さんに会場で紹介PRをしていただきました。

 

また、今回は「火災保険に特化した損害保険代理店」の有限会社大川商店さんに火災保険「水道管凍結破損編」のミニセミナーをしていただきました。今シーズンは水道管凍結破損がとても多かったので、今後の対応として皆さま真剣に聞き入っていました。

 

サポートパートナーブースは、有限会社大川商店さんと小野寺燃料株式会社さんでした。

 

 

 当時の告知ページはこちらです。

第67回北海道大家塾 セミナー風景
TRUSS HOME株式会社 代表取締役 古川広毅 氏
オーナーズビジョン株式会社 高瀬洋一郎

小野寺燃料株式会社 企業紹介
北海道ガス株式会社 企業紹介

㈱クレディセゾン 北海道支社 企業紹介
有限会社大川商店 ミニセミナー

【第二部】

講師紹介

オーナーズビジョン株式会社 高瀬洋一郎

高瀬 洋一郎Takase Youichiro

 

 

オーナーズビジョン株式会社 不動産営業部 課長

 

札幌の大学卒業後、札幌信用金庫(現北海道信用金庫)に就職し、渉外を担当。預金・融資案件をこなす。

 

3年後、脱サラし上京。バンド活動を開始。

フジロックフェスティバルに2度出演。

CD8枚をリリースしプロとして活動。

10年の節目にバンドを脱退し、札幌に戻り不動産賃貸仲介会社に就職。

父親からの相続を機に二代目大家になり、2019年オーナーズビジョン株式会社に入社。

 

【資格】

宅地建物取引士

2級ファイナンシャル

プランニング技能士

AFP(日本FP協会認定)

J-REC公認 不動産コンサルタント

全住協 不動産後見アドバイザー 

○オーナーズビジョン株式会社

https://www.ownersvision.com/

『バンドマンが滞納400万円超えの築古アパートを相続してみた

  ~ 二代目大家ロックバカの相続体験記』

オーナーズビジョン株式会社 高瀬洋一郎
オーナーズビジョン株式会社 高瀬洋一郎

第二部 講師資料
第二部 講師資料 相続した築古アパート概要

第二部 講師資料 どのくらいリフォームすればいい?
第二部 講師資料 リフォーム後写真

第二部 講師資料 反省点
第二部 講師資料 滞納問題

第二部 講師資料 
第二部 講師資料 建物老朽化を理由に・・・

第二部 講師資料 建て替え後
第二部 講師資料 ロックバンド時代

第二部 講師資料 大家業を継ぐと決意したキッカケ
第二部 講師資料 コミュニケーションを深めるために

 

「一番大切なのは、常にコミュニケーションを取り合うことです。」

 

高瀬は自らの相続体験で気づいた最も大切なことを、そんな言葉で語りました。

 

大学卒業後、一度は信用金庫に就職するも「音楽でメシを食っていきたい」と3年後にロックスターを目指し脱サラした経験のある高瀬。

 

大反対する両親とは、ほぼ縁を切るような関係となっても「成功するまでは札幌に戻れない。東京で骨を埋める!」と上京し、住み込みの新聞配達をしながらロックバンドを結成して音楽活動を開始。

 

お金は無いが「不動産なんてロックじゃねえ」と思い、全く興味が無かった。

高瀬は当時の自分を振り返りながら、率直に語りました。

 

そんなロックバカ息子だった高瀬が札幌に戻ってきたのは、上京してから10年後のこと。

 

「相続」が理由でした。CD8枚をリリースし、日本最大の野外音楽イベントのフジロック・フェスティバルに2度の出演を果たすも、バンドを脱退しプロとしての音楽活動にピリオドを打ったのは、親が所有する賃貸物件を相続するためでした。

 

転勤族だった高瀬の父親。実は賃貸アパートを所有するサラリーマン大家でもありました。

その父親が癌と知らされ、札幌に一時帰省した際、「仕事について全く話さなかった父が、初めて相続対策について話し始めた」それがきっかけとなり、高瀬は相続を決意します。

 

相続後まもなく父親が亡くなり、高瀬は賃貸オーナーとなりました。

 

でも不動産の知識がゼロのままでの大家業は荷が重すぎる。

「まずは知識を付けるため、不動産業界に就職するのが早いのでは?」と考え、地元の賃貸仲介会社に就職。賃貸仲介の仕事を覚え、宅建士の資格も取得し、次は賃貸経営を学ぼうと「不動産実務検定」を受講。その時、北海道大家塾の塾長・原田とも出会いました。

 

賃貸経営を文字通り、一歩ずつ学び始めた高瀬。ですが、相続した物件が悩みのタネでした。

 

築40年・空室ありの木造アパートに加え、家賃の支払いも部屋ごとにバラバラ。

中には合計400万円の家賃滞納がある入居者たちも!

闘病生活をしていた頃の父親では管理し切れず、「何から手を付けたらいい!?」と頭を抱えるほど問題が山積みだったのです。

 

そこで持ち前のロック魂を奮い立たせた高瀬は、大家が代替わりした案内廻りから「童顔だから舐められたくない!」と髭を生やして各部屋を訪問。特に滞納している入居者には厳しい態度を示したものの、ここから高瀬にとって激動の日々が幕を開けました。

 

 

【元バンドマン大家のヒストリー】- 自ら挑んだ3つのミッション ―

 

■2年間、空室だった部屋に入居者を!

― 駅チカ・徒歩5分 2LDK ファミリー物件で間取り良し。ただし昭和風の内装……

― リフォームは必要。どこまでする? 建物は「あと10年は持つ」と当時の職人さん。

<結論>最低10年は修繕・リフォームで延命!公庫から150万円借入(3年で回収!)

 

<反省点> 一部屋のリフォームにお金を掛け過ぎた…。

― 好立地なのに家賃設定は月・50,000円。仲介目線で投資・回収のオーナー目線が不足

― 建築の知識に乏しく、相談できる人もいない(成功している大家さんは建築に詳しい)

 

■家賃滞納を解決!

― 滞納は2世帯。回収?または強制退去?(金額400万以上は回収できる見込み薄い)

― 今まで放置していた負い目もある。マメに訪問・連絡すれば、変わっていくのでは?

<結論>様子を見よう(先送り)

 

<反省点>人の更生ができると思ってしまった…。時間と労力、お金の無駄。ストレス増!

― 最初は良かったが、結局2年目から再び滞納

― 一世帯は訴訟手続きとなり、弁護士へ依頼。建物明け渡し・強制執行の前日に夜逃げ

― 「債権譲渡の手続が必要」と最初の訴状も受理されず、訂正手続きによる負担増へ

 

■物件を建て替え!(退去依頼も)

― 晴れて満室になるも2年半後の2018年9月、大型台風直撃で夜中に屋根が飛んだ!

― 続けて北海道胆振東部地震が発生。煙突崩壊・建物にクラック(割れ目)発生

― 地震保険に加入しているはず、と思いきや未加入だった……

 

<反省点>屋根が腐り、ただ乗かっている物件だった。もし通行人に当たっていたら…

― 初めてオーナーの責任を痛感、建替えを決意

― 満室だったので悩むも、建物老朽化を理由に各部屋へ直接廻って説明

 

 

「大家業は賃貸・売買 ・管理 ・建築 ・税務など、さまざまな目線でバランス良く考える必要がある、奥が深い仕事」「法律など知識が無ければ、相談する場所が無いのは悲劇」

 

過去の自分の大家業を「失敗談」として語る高瀬。それは大家としての父親の仕事を、始めて知る経験でもありました。

 

単身赴任で、月に1~2回会う程度だった父。

自主管理の大家にともなう実務は知識の無い母が言われるままやり、「父は負担を押し付けている」と不信感を募らせていた自分。

バブル崩壊から始まる北海道の不況や日々のニュースも影響し、不動産業にも悪いイメージしかありませんでした。

 

その父親と初めて腹を割って真剣に話したのが、父の癌がきっかけとなり始まった相続対策の話です。

「強制はしないが、可能であれば相続してほしい」そう話す父が不動産投資を始めた経緯や描いていたビジョン。そこには、子供である自分の将来への想いもありました。

 

「人に勝ちたければ、隠れて努力をしろ」が口ぐせだった。

正直、その特に説明された相続対策は全く理解できなかった。

でも、父の熱い想いは感じた。

 

それが高瀬の心を動かし、音楽活動から大家業への転身を決意させた大きな動機でした。

自らの相続体験記を語った高瀬は、この経験を通じて大切なことを学んだ、と言います。

 

・相続させる親と相続する子供、双方が相続対策を理解すること

・不動産のポジティブなイメージを持つ

・将来のビジョンを親子で共有する

・常にコミュニケーションを取る

 

「家族や親子でコミュニケーションを深めるために、美味しい物を食べに行こう!と小旅行を兼ねて物件を見に行く、一緒にDIYをしてみる、家族で大家塾や相続相談会に参加する、家族を大家業の仕事に巻き込むのも良いと思います。」

 

「そして何より「ありがとう」の気持ちを表現し、伝えることが大切だと思います。」

 

いつも近くにいる家族だからこそ、普段からお互いの思いや考えを話し合い、理解し合う。

近くにいてくれること、思いやってくれることに感謝の気持ちを示す。

 

日頃から家族の中で思いやるコミュニケーションを取ることが、結果的に「争族」にならない「相続」へとつながる。高瀬が語る相続体験記は、そんなメッセージをお伝えする機会にもなりました。 

 

塾長 原田の感想

 

第二部の高瀬のセミナーは、親から子への賃貸経営の承継について学べました。

 

賃貸経営をやっている子供が親のことをどう見ているのか。

賃貸経営についてどう伝えていくのか。

 

非常に大切な事だと改めて感じました。

 

また高瀬さんが体当たりで解決した「滞納問題」についても多くの学びがありましたね。

 

特に、反省点にあった「人の更生をさせられると思ってしまった」という話には説得力がありましたね。

 

開催記録

 

●日 時:2021年3月27日(土) 

     13:30-18:00

 

●参加人数: 87名(会場参加:42名、WEB参加:45名)